かわいいブログ

フィクションです

私は北条そふぃちゃんに恋をした

 今春からプリティーシリーズの最新作として『キラッとプリ☆チャン』が放映開始すると発表された。およそ4年続いたプリパラという物語は、3月でひとまず終わるということである。

 

 高校2年生のとき、土曜日の朝になんとなくつけたテレビで『プリティーリズム レインボーライブ』に出会った。その影響で、後続のプリパラのニュースも見た。そしてキービジュアルを見て、私はある少女に恋をしたのだ。

 姫カットのロングヘアはショッキングピンクで、ゴスロリを意識しているような黒と白と赤を基調とした衣装を身にまとっている。彼女は、北条そふぃという。当時、KERAやゴシック&ロリータバイブルを愛読していたからだろう、憧れはするけれど私にはできない格好をしている彼女に一目ぼれをしたのだった。

 高校3年生の夏にアニメがスタートした。受験生だったので、アーケードゲームは受験が終わってからと決めていた。アニメを観て判明したのだが、プリパラ内ではクールなトップアイドルとして君臨するそふぃちゃんは、実は体力がなく家では常にボサボサの髪にジャージ姿という出で立ちで、声にも動きにも力がない(ファンシーモード)。好物のレッドフラッシュ(梅干し)を食べることでアイドルをやれているのだった。マネージャーや親衛隊のみんなはかっこいい「私」を望む。だれも本当の「私」のことは好きじゃない。そう思い悩んでいたところ、らぁらが「そのままのそふぃさんも好き!」と言ってくれた。みれぃが「最初の一歩は自分で踏み出すしかない」と喝を入れてくれた。そふぃちゃんの本当の気持ちを考えた親衛隊の手助けもあり、そふぃちゃんは勇気を出し、らぁら、みれぃとチームを組むという自分の希望を叶えたのだ。

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 自分のコンプレックスを受け入れてくれる友人に出会えたことでありのままの自分を尊重し、できないことには自分のペースで挑戦するという勇気を手に入れたそふぃちゃんのことが私はますます好きになった。

 レッドフラッシュのおかげでクールなキャラを作れるとはいえ、そふぃちゃんがもともと持っている才能は計り知れなかった。が、それだけではない。アイドルのマイナスな感情から生まれたボーカルドールのガァルルと初めて話したとき、歌やダンスが上手くできないガァルルの気持ちがわからずすれ違ってしまったが、体力がないという自分のコンプレックスを話して友達になった。ひびきに無理やりセレブフラッシュを食べさせられたときはその才能を十二分に発揮して「神アイドルになりたい」という普段は見せることのない闘志をあらわにしていた。ひびきに天才チームに誘われたときは、ひびきをもっと知りたい、自分のステップアップにつながるかもと自分の意思でその誘いを受けた。ジュルルが熱を出したときは自力でジュルルのためにミラクルピーチを収穫しようと旅に出た。アイドルタイムプリパラになってからは出番は少なくなったけれどゆい・にの・みちるを見守る先輩としての、そして神アイドルとしての風格があった。そふぃちゃんは才能豊かで、強くて、優しい、神様みたいな女の子なのだ。

 そふぃちゃんに恋をしてから約4年間、毎日そふぃちゃんのことを考えている。上手くいかなくてこんな時そふぃちゃんならきっとこうできるのにと落ち込んだり、自信がなくてそふぃちゃんになったつもりでがんばってみたり……。私の意識は常にそふぃちゃんと共にあると言っても過言ではない。

 

 プリパラとしての物語が終わるというニュースを聞いて、頭が追いつかなかった。アーケードはNintendo Switchに完全に移植されるらしいし、そもそもアイドルタイムプリパラだってまだ話数が残っているから終わったわけではないことはわかっている。けれど、毎週新たな魅力で私を惹きつけるそふぃちゃんにはもうすぐ会えなくなってしまうのだ。

 

 新たな場所でそふぃちゃんに会えないのは正直かなり寂しい。でも、私がそふぃちゃんを好きだという気持ちはずっと変わらない。そふぃちゃんに教えてもらった、ありのままの自分を受け入れる強さと、難しいことでも挑戦して自分のペースでいいから成し遂げる勇気を持って、鳥籠を壊して空高くを翔ぶ鳥のように生きていきたい。

 

 最後に今回のブログタイトルの元ネタとなっている、私の北条そふぃちゃんに対する気持ちが詰まった曲を紹介しておく。

【初音ミク】 僕は初音ミクとキスをした 【オリジナルMV】 - niconico

 

 そふぃちゃん、私と出会ってくれてありがとう。

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最近のツイッターでのできごと

 ツイッターで2年以上付き合いのあるフォロワーに突然ブロックされてとても驚いた。その人はよく私の書くものを褒めてくれた人で、フォローしてる人を特別扱いするような発言が多く見受けられたので、私は思い上がっていたのだろう。ブロックされてかなり落ち込んでしまった。せめてブロブロ解ならと思ったが、ブロックということは嫌悪感を与えてしまったのだろう。思い当たることがないわけではないが、確実にこれだと思うものがなくて不安だった。

 その後、共通のフォロワーからブロックの理由を部分的に聞いた。私は感情的な性格で、物事を客観視することが得意でなく、その上また聞きなので曲解してしまっているかもしれないが、その理由を私が幸せになることを否定しているように捉えてしまい、生理的嫌悪が生じてしまった。謝られてももう無理で、その人のすべてが受け入れられなくなってしまった。2度と私の人生に関わってほしくないとすら思った。

 私もツイッターで何度も人との縁を切ってきた。今後会う可能性が高い人との縁も切ってしまった。自分の中でよく考えてやったことなので申し訳ないと思いつつもやむを得ないことだったので今後何があっても親しくはできないだろう。注意力が著しくかけている私ですら人との関係を断つときは熟考しているのだから、後悔している風なことを聞いて腹立たしく思った。

 けれど、時間が経つにつれてその人を受け入れられなくなってしまった自分の心の狭さが嫌になってきた。謝罪を受け入れ、その人の話をちゃんと直接聞き、私のその人にとって嫌な部分がもし私が今後生きて行く上で直した方がいいことであれば直すよう努力するという選択をすべきだったのではないだろうか。それでお互い合わないことが改めてわかったらその時本当に縁を切るという形を取ってもよかったのではないだろうか。私だって感情が先走り失敗して後悔することは山ほどある。それなのに他人の後悔を責めるのはおかしいではないか。

 いや、でも私のこのやり場のない生理的嫌悪はどうしたらいい。その人との関係を復活させたらきっと私はその嫌悪感を抱きながらも、うわべだけはなんともない風に付き合うのだろう。そんなギスギスしたタイムラインは私には耐えられない。

 考えすぎて、頭がだるい。

ホットミルクをもう一杯

 15年と約半年。彼女が生きた年数だ。15年というと、生まれた子が中学校を卒業するまでの年数で、私にはまだとてつもなく長い時間のように思う。しかし、彼女と過ごした時間を振り返るとあっという間だったような気がして胸が苦しい。
 訃報を受けたのは今朝のことである。iPhoneから鳴り響くアラームを止めるために7時過ぎに目を覚ました。弟からのLINEの通知があって、表示されている文がすぐには飲み込めなくて、どう返事をするべきかしばらく迷った。迷いながらも、とにかく実家に帰らなければと思い連絡をくれたことについて礼の言葉を打ちつつパジャマを脱いだ。幸い、水曜は講義が3限からなのですぐに実家に行くと弟に伝えた。身支度をしているうちにじわりじわりと彼女が息を引き取る時にそばにいられなかったこと、年老いた彼女の世話を家族に任せきりにしてしまったことなど後悔の念が押し寄せてきて涙がこぼれた。
 脱ぎ着が楽な割にかわいくてお気に入りのワンピースは12月の朝には不向きで、家を出て一瞬で足元が冷えた。けれど空はよく晴れていて、暖房の効いた電車内は少し暑いくらいだった。車窓から、太陽の光を浴びて輝いているおだやかな川を眺めながら、この川はなんという名前だったっけと話す老夫婦の会話を聞きつつ、彼女のことを考えていた。もういい年で、足腰もかなり弱っていたし、少し前から彼女の体調がかなり思わしくないことを母親から聞いていた。覚悟はできている。何度も話していた。それでも、せめて私がゆっくり帰省できる12月後半まで持ってくれることを祈り続けていた。生きている彼女をもう一度撫でたかった。
 乗り換えをする大きな駅まで弟が迎えにきてくれた。私を心配してくれたそうだ。ありがたい。そして、2人でたわいのない話をしながら実家へ向かった。
 実家のドアを開けるとすぐにかごに敷き詰められたタオルの上で目をつむる彼女と、母がいた。初め、私がすぐに彼女に会えるよう寒い玄関先に彼女を連れてきているのかと思ったがすぐに彼女の身体がだめにならないようにしていることに気づいた。彼女はいつも通り寝ているだけのようにも見えたが、決定的に違うところがあった。彼女は舌が長いのか、いつも口からあざやかな濃いピンク色の舌がはみ出ているのだが、その舌がすでに黒っぽく変色していたのだ。彼女は息を引き取る直前もしっぽを振り、弟が名前を呼ぶ声にも反応したらしい。反応して、そしてすぐに動かなくなったそうだ。母が声にならない声で教えてくれた。私は彼女のお腹のあたりに置いてある小さな花束(母が急いでスーパーで買ってきたらしい)を少しだけどかし、ゆっくりと撫でた。撫でているうちになんだか彼女の体がまだ温かい気がして、本当はまだ生きているのではないかと思った。しかしそれは私の体温が彼女の毛に伝わっているだけで、彼女が死んでしまったという事実は覆らない。母と、弟と、3人で寒い玄関で静かに泣いた。
 朝ごはんを食べてこなかった私はテーブルに置いてあった抹茶オレと母が用意してくれたよもぎ餅の入った温かいぜんざいを食べた。そして2人から彼女の最期の様子を聞いたり、近況を話したりした。リビングの、今まで彼女のケージやベッドが置いてあった場所はもう片付けてあって不完全な感じがした。猫も心なしかぼんやりとした様子だった。そしてまた、彼女がいる玄関先で3人で彼女との思い出を語り合った。彼女はとても食い意地が張っていて、なんでも食べてしまう子だった。チーズ、いちご、バナナ、スイカ、ぶどう、肉、氷などなど。猫が残したキャットフードをあげてもがっついていた。庭で遊ぶ時はよくわからない草も食べていた。これはお通夜だねと3人で笑った。
 彼女は父によく懐いていた。悔しいが、家族の中で一番かもしれない。父が仕事場へ向かった後、彼女は息を引き取った。最後に見送りをしたかったのかもしれないねと話して、また泣いた。
 昼前くらいに実家を出て、大学へ向かった。猫にはこれから私が年末に帰省するまで家族を、特に母をよろしくなと、彼女には今までありがとう、またいつかどこかでねと声をかけた。
 1人で電車に乗って、次に実家に帰ってももう彼女を撫でることはできないという当然の事実に気づき愕然とした。彼女は年を重ねるにつれ抱っこをされるのを嫌がったけれど、抱っこをしたかったな、でも嫌がることを無理にするのもよくないしな、と後悔に力ずくで言い訳をした。
 彼女は15年と約半年、幸福な生涯だっただろうか。小さくて、かわいい顔をしていて、とてつもなく食い意地が張っていて、プライドが高くて少し気難しいところもあるけれど、やっぱりかわいい彼女のことが大好きだ。彼女にもっともっとできることがあったのではと後悔でいっぱいである。もっといっぱい彼女が喜ぶことをしたかったし、もっといっぱい一緒に過ごしたかった。私が、ちゃんとした立派な大人になるのを見守っていてほしかった。
 未熟な家族でごめんなさい。でも本当に大好きでした。今までありがとうね。これからも大好きです。

かわいいと言われ続けている馬鹿と、かわいいと言われてこなかった馬鹿

 かわいいと言われ続けている友人がいる。彼女がなにかすれば周りはかわいいと叫び、彼女がわがままを言えば周りは彼女の機嫌を損ねないよう必死になる。彼女と行動していると、ああこの子はずっと甘やかされて育ってきたんだろうなと思う。

 そんな彼女が、本当の友達がいないと泣き出したとき、私は心底くだらないと思った。

 本当につらくて、講義中もずっと泣いていたのに誰も声をかけてくれなかった。後から声をかけないほうがいいと思ったと言われたけれど関わるのが面倒だったからに違いない、調子のいいときだけもてはやして、まぁ、それはそれで嬉しいけど。とにかく、うわべだけ優しくするみんなのことが信じられない。優しい人はきらい。

 なにを言っているんだこの女は。いい歳して公共の場で泣くようなやつになんて関わりたくないに決まっているだろ。ヒステリー起こしてるときに声をかけてくる人間こそが本当の友達なのだろうか。お前が機嫌損ねるからこっちは必死で優しくしてたのに。と、彼女が吐く言葉ひとつひとつに心の中で難癖をつけていた。他の連中は静かに彼女を慰めていた。馬鹿げた時間だった。これ以上深入りしたくなかったから、遠回しに今後の催しで私のことをハブにしたいと言われたときも二つ返事で了承した。

 

 これまでの人生でかわいいと言われてこなかったのが私である。私をかわいいと言ってくれるのは母親と恋人と、たまに会う中学時代からの友人くらいだ。その友人たちの中だって在学中に私をかわいいと言ってくれたのは一人程度である。だから私はずっと自分を女として欠陥だと思っていた。最近になってようやく「かわいくない」呪縛から解放されて、かわいいものが好きな自分を受け入れられるようになり、自分のかわいい部分を認めることもできるようになった。

 しかし今日、久しぶりに、周りにかわいいと言われないことが自分の中で引っかかってしまったのだ。人をかわいいと言う人に対して、私だって(その程度なら)かわいいのになんでかわいいって言われないんだろうと思っていらいらした。一度でいいから大学でみんなが言われてるみたいなかわいいを言われてみたい。社交辞令やお世辞のかわいいすら言われない私は一体なんなんだ。私ががんばって作ってきたかわいいはまったくかわいいではないということなのだろうか?

アイドルの接近イベントに行ったよ

 アイドルの接近イベントに行きました。検索よけのためほとんど実名を挙げません〜。

 

 もともと私が好きなアイドルは、すでにそこそこの知名度があって、まあまあ大きな会場をほぼ満席にするレベルなので接近はリリースイベントのときくらいしかありません。そのリリースイベントすら、東京会場だと抽選なのでCDを買った人が必ず参加できるというわけではありません(このことを知らなかったため私はこのアイドルのリリイベに参加できません涙)。

 

 アイドルとしてはまだ新人の「彼女」を知ったのは、某アイドルもののソーシャルゲームの、ボイス未実装だったキャラクターの担当声優が発表されたときでした。特別そのキャラが好きだったわけではなかったのですが、彼女の写真を見た瞬間、この子だと強く思いました。

 すぐに彼女について調べました。7人組のアイドルグループの最年少であること、メンバーカラーはピンクであること、私が春に観ていたアニメにちょっとだけ出演していたこと、小学生の頃に観たアニメがきっかけで声優を目指したこと、某アイドルもののソーシャルゲームが本当に好きなことなどをウィキペディアやブログで知りました。

 少し照れたような固い感じの笑顔と、ブログやツイッターの読みやすい文に強く惹かれ、この子を応援したいという気持ちがムクムクと湧いてきたのでした。

 彼女が属するアイドルグループは大体月1回くらいの頻度でオタク・ショップの特設会場でライブと特典会を行なっています。失礼な言い方になってしまうかもしれないのですが、私の周りで知る人はほぼいないようなアイドルのイベントに参加したことは1度もなかったので行くと決めてからもだれか一緒に行ってくれる人はいないかなとかなり心細い思いでいました。けれど、もしかしたら私の好きな曲のカバーが聴けるかもという期待と、今回女性専用エリアを設けているという情報に勇気付けられ結局1人でオタク・ショップへと向かいました。

 まず、整理券を手に入れるためにオタク・ショップ前に並んだのですが、女性はほとんど並んでおらず、正直心が折れかけました。周りの並んでいる男性オタクさんたちは皆何度もイベントに足を運んだことがある様子だったので、彼らの迷惑にならないよう細心の注意を払いました(つもりです)。

 ランダムに引いた整理券の番号順に会場に入ります。私はかなり遅い番号だった上、物販でグッズを購入してから客席(?)のあたりへ着いたので、すでにたくさんのオタクさんたちがステージが始まるのを待機していて、そもそも女性専用エリアがどこにあるのかすらいまいちわかりませんでした。どうにか女性専用エリアを見つけ、まだ私が入るスペースはあるかしらと伸びをして見ていると、女性専用エリア付近にいた男性オタクさんたちが無言でスッと道を作ってくれ、周りの他のオタクさんにも声をかけたりして私を女性専用エリアへと入れてくれました。古参(と思しき)の方々が優しくていい現場だなと思いました。

 会場が暗くなりライブが始まりました。彼女たちはオリジナルの楽曲が1曲しかないのでセトリのほとんどがアニメソングかアイドルの楽曲のカバーです。知っている曲が多かったので私でも楽しめました。現場慣れしているオタクたちはペンライトを振ったりコールを入れたり、会場を壊さない程度に小さく飛んだりして大盛り上がりでした。奥行きも幅もないステージは7人で踊るには少し狭いように思いましたが、7人で歌って踊れるようにアレンジした楽曲を精一杯披露する彼女たちはとても輝いていました。1曲だけ撮影可能の時間が設けられていて新鮮でした。

 ライブが終わると物販の再開と特典会の準備です。彼女たちの公演はもう10回以上行われているため仕方のないことではあるのですが、すでにオタク・コミュニティが確立しているようで、それが少し怖かったです。「新規の女の子ファンを増やそう!」と盛り上がっている女性オタクさんたちもいたのですが、そのわりにはどう見ても新規の私やその他何人かの女性には絶対に話しかけず、私も知らない女性オタクさんにいきなり話しかける勇気もないし……みたいな感じでそこだけちょっと残念なまま終わりました。

 特典会では私は2ショットチェキを撮ってもらいました。ライブを観ているうちにメンバーみんなが大好きになってしまったので(DD)迷いましたが、グループの存在を知るきっかけとなった「彼女」と撮ることに決めました。

 ソロの仕事が増えたからか、思っていたよりもハキハキと話してくれました。お世辞でもかわいいと言ってもらえたのが嬉しかったです。ちょろいオタクなので。初めて来たことと、先日放送された彼女が出演したアニメを観たことを限られた時間の中でどうにか伝えました。彼女のニコニコとした表情が本当に可愛かったです。手でハートを作って撮ってもらったのですが、彼女の顔がとんでもなく小さかったことが衝撃的でした。

 帰りはオタク・ショップの店員さんがランダムでメンバーのサインミニ色紙を渡してくれました。サインってこんなに簡単にもらっちゃっていいのかと驚きでした。

 

 慣れないこともあったけれどとても楽しい接近イベントでした。次回も行けたらいいなと思っています。

西尾維新大辞展に行きました

 先日、松屋銀座で開催されている西尾維新大辞展へ行きました。開店と開場が同じ時間なので、開店・開場時間の1時間前の9時から入り口で並びました。私が到着した時にはすでに西尾維新の熱烈ファンが20〜30人以上は並んでいたように思います。

 9時20分を過ぎると店内へと誘導されました。ここで誘導してくれたのがおそらく大辞展のために雇われたスタッフとかではなく、松屋に常駐している店員さんだったのですが彼らの私たちオタクへのあたりが強く、ちゃんと指示通りに並んでいるのにきつい言い方で何度も注意してくるので、血の気が多い私はこの時点でかなりご機嫌ななめになっていました(もしかすると列後方にマナーのなっていない人がいたのかもしれませんが)。そしてエレベーターに押し込まれ展示をやっている階へ到着し、9時45分ごろ入場が許可されました。

 事前にインターネットで物販ブースへ行ってしまうと展示ブースには戻れないということを調べていた私は入場券を2枚購入していたので、まずその1枚を使い真っ先に物販へと向かいました。戯言シリーズの挿し絵を担当している竹さんのイラストが使われたグッズが大々的に出回るのはおそらく初めてなので古参オタクたちは竹絵グッズを買い占めます。連日、昼には公式ツイッターが一部竹絵グッズの完売情報を投稿しています。私はオタクをかき分けアクリルスタンドが売っているコーナーをどうにか見つけ出しました。しかしいくら探しても匂宮出夢くんのアクリルスタンドは売っていません。すぐにグッズの整理をしているスタッフさんに声をかけました。

私「すみません、匂宮出夢くんのアクリルスタンドはどこですか?」

スタッフさん「えー、(アクリルスタンドが売っているコーナーを物色する)、あ。ここにないのでもう本日ぶんは終了ですね」

 この時点でまだ開場10分前の9時50分でした。こんなむごい出来事があって許されるでしょうか? 私は許せません、なぜなら匂宮出夢くんは私が愛する2次元キャラのなかでもトップを争う地位に君臨するキャラクターだからです(対抗馬は北条そふぃちゃんです)。一応購入制限は1人3つまでとなっていましたがそもそも他キャラも置いてある数が少なそうだったし1人3つはどう考えても多いだろ西尾古参オタクの匂宮出夢くんクラスタがどれだけ匂宮出夢くんを溺愛しているかくらいわかるだろいやわかってくれわかってください頼みます匂宮出夢くんは私の中学時代が詰まっているんです青春なんです青春は西尾維新なんです……。

 匂宮出夢くんのアクリルスタンドは喉から手が出るほど欲しいですがまた言い方のきつい指示を受けて並ばされるのはいやだし、こじらせ古参オタクなので物語しか知らないような新参にわかが多い空間に行くのは苦痛で仕方ないため2度目の参戦はありません、おしまい。

勇気を出してきみをフォローするのに2年以上かかってしまった

 8年前のよく晴れた春の日、私は一目惚れをした。長身でぴんと伸びた背すじがとても印象的で、色素の薄い茶色の髪でできたポニーテールから私は目が離せなかった。細くびっしりとはえたまつげはまばたきするたびに風が起こるのではと思わせ、大きな瞳はつねに光を浴びて輝いている。小さな顔、すらりと長い手足、キュッとしまった腰。彼女は頭のてっぺんからつま先まで、すべてが美しかった。

 入学後すぐにあった宿泊体験学習で彼女と同室になった。彼女は、小学4年生の頃に元町でアイスを食べていたらモデルにスカウトされたけれど中学受験のために断ったこと(やっぱり美少女はスカウトとかされるんだなと感心したことを覚えている)、春休みのうちにお母さんから性に関する知識を教わったこと、昔はとても髪が抜けやすくお兄ちゃんがちょっとひっぱっただけでごっそり抜けてしまった経験があること、お兄ちゃんがきらいなことなどを話してくれた。また、彼女は運動が得意だった。とりわけ、野球、ソフトボールが好きで、小学6年生の時の担任の影響でソフトボールを少しかじったことのある私は球技大会でソフトボールを選択し彼女とバッテリーを組んだ。ソフトボールの得意な彼女とキャッチボールをするのは大変だった。もともと運動が苦手なので彼女の球を受け止めるのは難しかったけれど、息がぴったりとあって彼女に褒められるのが本当に嬉しかった。球技大会当日は、初戦で上の学年に当たってしまいいきなり負けてしまった。彼女の悔しそうな表情が忘れられない。余談ではあるが、私たちは野球の知識が豊富な彼女の指導により盗塁をしまくったので次の年の球技大会からは盗塁は禁止となった。

 このように書くと、私と彼女は普通に仲のいい友達のようである。しかし、彼女は私にだけは意地悪だった。好きなアイドルの話をするときは私にだけは絶対に推しのメンバーを教えてくれなかったし、私の名札の裏にゲラゲラと笑いながら「万引き女」と書き込んだりしていた(これは本当に今となってもわけがわからない)。意地悪でいたずら好きで、でもかわいい子だよなぁというのが13歳の私が彼女に抱いた印象だった。

 2年生に進級して彼女とはクラスが離れてしまった。彼女は長かった髪をばっさりと切り、少年のようなショートヘアになった。なんだかんだ真面目でしっかり者の彼女は学級委員長に選ばれた。嫌味がなく明るい性格の彼女はみんなから好かれる人気者だったし選ばれるのは当然といえば当然だけれど、いたずら好きで意地悪な彼女が委員長だなんて私にはしっくりこなかった。たった2つ教室が離れているだけで彼女がとてつもなく遠い存在になってしまったような気がしたのだった。

 3年生になると再び彼女と同じクラスになることができた。確か3年生になって最初の総合学習の時間だったと思う。「弱者」をテーマにグループワークをすることになり自分が調べたい「弱者」を選ぶ時だった。私は仲のいい友人たちが選んだものにピンとこなくて決めあぐねていた。すると1人だけ「ワーキングプア」を選んだ彼女が一緒にやろうと声をかけてきたのだ。そして私たちは2人きりでワーキングプアについて調べてレジュメを作って発表した。彼女がレジュメに「儲からない……」みたいなふきだしつきの棒人間の落書きをしたことをよく覚えている。

 遠くなってしまったと思っていた彼女が普通に話しかけてくれたのが本当に嬉しかった。しかし、私はスクールカースト最下層のオタク趣味の陰キャラである。彼女と2年生の時に仲良くなったと思われるカースト上位の女子から冷たくされた。彼女と話そうとすると必ずと言っていいほど邪魔をされた。次第に彼女とは疎遠になってしまった。

 附属の高校に進学し、再び彼女と同じクラスだったが疎遠な雰囲気は拭えなかった。なんとなく距離を感じてしまい、委員長の指定席に座る彼女を遠くから眺めることしかできなくなってしまった。この頃、友達がたくさんいるはずの彼女はどういうわけか1人きりでお弁当を食べていた。私はクラスで浮いた存在の友人(私自身はその友人のことが大好きで、とても尊敬している)とばかり過ごしていたこともあり余計に彼女に声をかけづらかったのでいまだにその理由はわからない。

 私が高校に在学していた時は高校1年生の授業に声楽があった。毎年冬に学内で発表会をするのだ。先生はとても厳しく、歌を歌うことが得意でなく、特に聖歌の類は眠くなってしまうようなタイプの私にはこの授業が苦痛でたまらなかった。私と彼女は同じパートだった。それだけが救いだった。本番が近づくとホームルームの時間も練習にあてられた。席を移動してパートごとに固まる。どういうわけか彼女は毎回私の隣にやってきた。楽譜をめくるたびに彼女の腕があたる。ドキドキした。歌の練習は本当に嫌いだったけれど、この時間がずっと続けばいいと思った。

 高校2年生になって、彼女とはクラスが離れてしまった。彼女見たさに昼休みのたびに彼女のクラスへと足を運んだ。けれど彼女と話そうとするとどうにも緊張してしまってうまく言葉が出てこない。たまに彼女が話しかけてくれた時は嬉しくて、でも緊張しているのが伝わってしまったらどうしようと不安な気持ちもあって、変に力んでしまっていた。文化祭の当日の朝、校門のところでたまたま彼女と一緒になってお互いがんばろうねみたいな話をしたときはあまり緊張せずに話せてとても良かった。

 バレンタインデーに、毎年恒例の友チョコ交換にかこつけて彼女に手作りのお菓子を渡そうとした。彼女の席の周りを不自然に行き来して、本当に不審だったと思う。結局彼女に渡すことはできず、帰ってから母にあげた。苦い思い出である。

 高3でまた彼女と同じクラスになれたが、この時は私のひどい睡魔と成績不振で手一杯だったので彼女を眺めるだけの機械と化していた。噂で、彼女が有名私大に指定校推薦で合格したという話を聞いた。ちょっとだけ彼女と同じ大学を目指したくなったが、そもそも高校を卒業できるかどうかの瀬戸際に立っている私には到底できっこなかった。

 無事に高校を卒業してから彼女のTwitterアカウントを見つけた。鍵がかかっていたので内容は見えなかった。きっとフォロー申請を送れば許可してくれるだろうけれど、私なんかが彼女をフォローしていいものかと悩んでしまい申請ができなかった。何度か同窓会が開かれたがどれも都合が合わず、彼女に会うことはできなかった。2年以上が経った。彼女がInstagramを始めたことがわかった。中高の頃の友人たちを多くフォローしているようだったので勢いでフォローした。すぐにフォローは返ってきた。そのノリでTwitterもフォロー申請を送った。少し時間がかかったが許可してもらえた。想像はしていたが彼女はSNSにマメではない。最終更新は1ヶ月以上前だった。私はすぐに彼女の全ツイートを遡った。髪を伸ばしていた。バイトをしていた。ひとり暮らしをしていた。酒を飲んでいた。友達と旅行をしていた。そこには私の知らない彼女がいた。

 私は今でも彼女に好意を抱いている。ただ、それは恋人に対する好意とも友人たちに対する好意とも違う。彼女に会いたい。最初はきっと緊張してしまうけれど、そのうち笑顔で話せる気がする。この気持ちは永遠に内緒だけれども。